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演習プリント
福岡教育大学教授の井上豊久先生のご講演に、
「自尊心を育む最たるものは、利他体験である」
「日本の教育に欠けているものの一つに、セレブレーション(学校内で教師生徒が共にお祝いをすること)がある」
と学びました。
私の教科教育の指針になっています。
私のリーディングの授業では、精読が終わると、『リスニング』・『(起立して)ペア読み』・『ペアQ&A』・『1人読み』・『(終わった者から教卓に取りに来る)演習プリント』で力試し、と進めます。
演習プリントは各問につき2名板書を指名して、全問正解すると、その日の英単語テストのやり直し(日本語1回・英語20回を書く)を免除する、とゲーム性を持たせています。指名は均等にあたるように、トランプの裏面にマジックで数字(出席番号)を書いたものをシャッフルして当てます。→
生徒は教師(私)を何とか倒そうと、パートナーと答えをすり合わせて、よりよい答えを導き出そうと協力します。
1問につき2名あてるのは、
@1名の間違いで英単語テストやり直し免除を逃した、という事態を避けるため
Aふだん接しないクラスメートとも協力する機会を与えるため
です。
解答を板書させると、教員が解答プリントを用意するより、かなり時間がかかります。演習量も減ります。(デメリット)
しかし、板書により褒める機会が出てきます。生徒の自尊心を高めます。拍手が生じます。和が生じます。緊張感と笑いが生じます。クラスメートがクラスメートから学びます。利他体験ができます。(メリット)
私は生徒の板書を見ながら、褒める点、褒めことばを模索します。
「この和訳は誰が書いた?ちょっと立ってみて。こなれた訳です。みんな、こういう訳が書けるようになりなさい」
「この英文は私の用意した模範解よりいいですね。誰が書いたかな。よく勉強しています」
「字がきれいですね。答えはバツです(笑いが起きる)」
「この作文には無駄がない。見習いたいです」
「これは満点防止問題だったんだけど… やられたね」
生徒を立たせて、涙ぐむほど褒めます。
次の一文は、勤務校のあるクラスでの学級日誌からの抜粋です。
(2010年 11月5日(金) 4限 英語A )
『今日はおしくもあと1もんで、やり直しめんじょだった。みんなが一体となっていた』
参考→『Treasure Grade 2 Lesson 2 演習プリント』word形式
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